渡米して間もない頃、サンフランシスコからゴールデンゲートブリッジを渡ったところにある街まで一人でバスで出かけたことがあります。(一体あの時何のためにそんなところに行ったんでしょう💦)そのとき、アメリカの人たちの温かさに触れる嬉しい経験をしました。
日本ではバスには必ず自動両替機が備え付けてありますし、もっと大きな単位のお札を持って乗った場合は運転手さんが両替してくれます。
私はアメリカでもその感覚で、お財布の中を確認することなくバスに乗りこんでしまいました。バスの運賃は確か2ドル25セントくらいだったと記憶しています。バスに乗って運賃を支払おうとしたところ、お財布のなかには100ドル札と10個ほどの硬貨しかありませんでした。運転手さんに両替してもらおうとしたところ、誰かにくずしてもらうように言われました。
え~~~?!「誰かに」ったって・・・
私の困った顔を見た運転手さんは、後ろに向かって「彼女が100ドル札しか持ってないから、誰かくずせる人いない?」と叫んでくれました。
Can anyone break her 100 dollar bill?
・・・
するとそれを聞いた男性が即座に立ち上がって、「20ドル札なら持ってるよ!」と20ドル札5枚を渡してくれました。
Hey, I can change it into five 20s!
その声を聞いて本当に救われた気がしました。そんな3秒もしないうちに助けてくれる人が現れるなんて思っていなかったからです。
そのおじさんに勇気づけられた私は、座席に座っている人たち一人一人に声をかけながら後方へ移動していきました。20ドル札は10ドル札へ、10ドル札は5ドル札、そして1ドル札へとくずれていきました。
皆さんがくずしてくれた紙幣を持って運転席のところへ戻り、いざ運賃を払おうとしたのですが、アメリカの紙幣やコインを見慣れない私はモタモタ・・・ 特に硬貨がどれも同じに見えてしまって訳が分かりません。
そうすると、またもやすぐそばに座っていた人が、私の手の中を覗き込んで「これとこれだよ」と教えてくれました。
英語も片言、サンフランシスコから出るのも初めて、しかも独り。それなのに親切な皆さんのおかげで、無事目的地を訪れ、無事サンフランシスコへ帰って来れました。
あのときの皆さんにもう一度お礼を言いたいです。
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