“have to” も “must” も「~しなければならない」という意味を表します。 中学校では、”have to”と”must”を置き換える問題がよく出題されます。 では、”have to” = “must” かというと、実は必ずしもそうではありません。
実際には、どちらを使っても構わないことも多いのですが、場合によっては不自然に聞こえてしまうこともあるようです。
そこで”have to”と”must”の違いについてまとめてみました。
“have to” は「外的要因・状況によって生じた義務」
置かれた状況・客観的事実によって「~しなければならない」場合には”have to”を使います。
例) My husband has to work from 9AM to 5PM every day.
BBCのウェブサイトでは次のように説明されています。
‘Have to’ describes external obligations – these are rules from an outside authority to the speaker (e.g. the government, or parents.)
BBC Learning English
English Grammar in Useには次のように書いてあります。
English Grammar in Use
I have to do something = It is necessary to do it, I am obliged to do it
“must” は「話し手が個人的に確信していること」および「規則、指示」
‘Must’ describes internal obligations – these are the rules which the speaker gives themselves.
BBC Learning English
“must”は話し手が「~しなければならない」と感じて生じる義務を表す場合に使います。
‘Must’ is used in written rules and instructions.
English Grammar in Use
規則や指示を表す場合も”must”が使われます。
「個人的な意見」を述べる場合はどちらでもOK
You can use must or have to to give your own opinion (for example, to say what you think is necessary,
or to recommend someone to do something)
English Grammar in Use
話し手が個人的な意見を述べる場合には、”have to”も”must”のいずれも使うことができます。
実際にどのように使われるか
それでは実際にどのように使われるのでしょう。
We have to pay taxes.「私たちは税金を払う必要がある」
これは政府によって定められた外的要因による義務ですから”have to”を使います。
“If I want to lose weight, I must start doing more exercise.”
「体重を減らすためには運動しなきゃね」
自分で決意していますから、この場合は“must”を使います。
”The doctor told me to lose weight so I have to go to the gym.”
「お医者さんに体重を減らすように言われちゃったよ。だからジムに行かなきゃな~」
この場合は、「お医者さんに言われたから」という外的要因があるので“have to”を使います。
I haven’t spoken to Michael for a long time. I have to/must call him.
「もう長いことマイケルと話してないなあ。彼に電話してみなきゃ。」
Michael is in charge of that matter. You have to/must talk to him.
「マイケルがその案件の担当をしているよ。彼に話してみるべきだよ。」
どちらも話し手の意見を述べているので、”have to”でも”must”でも大丈夫です。
Each runner must show up in person for check-in by 8AM.
「ランナーは朝8時までに(直接出向いて)チェックインを済ませなければならない」
マラソン大会の当日の案内の例です。参加に際しての規則が述べられているので“must”が使われています。
まとめ
”have to”と”must”は置き換え可能(interchangable)なことも多いですが、まったく同じ意味かというとそうではありません。
ひと言でいうと、“have to”は外的な要因、状況によって生じる義務、”must”は話し手の気持ちから生じる義務。
また、話し手が個人的な意見を述べる場合は”have to”も”must”も同じように使われます。指示や規則は”must”です。