晩秋の霧ヶ峰(八島湿原・ゼブラ山)2019年10月21日(月)

山へ行こう

晩秋の霧ヶ峰へ出かけてきました。もう紅葉も草紅葉も終盤。秋の華やかさはありませんでしたが、冬の訪れを待つ樹々や草花を眺めながら静かな散策ができました。

車は八島ビジターセンターの前の駐車場にとめました。平日とあってか、車はまばらでした(朝9時15分時点)。

ここから歩いて1時間ほどの鷲ヶ峰がなかなか良いと聞いていたので、まずはそこへ行くつもりだったのですが、この日は一日中曇りの予報。鷲ヶ峰もすっかり雲に覆われてまったく姿が見えませんでしたので、諦めて車山肩へと向かいました。

しんと静まり返った湿原。どこかからカンタンのリーリーリーという声が聞こえてきます。赤いトンボがつーっと横切っていきました。

なだらかな坂をゆっくり上っていると、突然そばの草むらの中から雌のキジが飛び立ちました。あちらもびっくりしたのでしょうが、私も驚きました。

たまに足元にお花を見つけるとすごく嬉しい。

よく見ると、マツムシソウに虫がとまっていました。仲間は随分減ってしまったね・・頑張れ頑張れ。

車山肩まできました。

コロボックルヒュッテのわんちゃん。

今回は車山頂上へ行くのはよして、車山湿原を歩いて車山乗越へ向かいました。

葉を落とした木の枝が灰白色の背景に浮き立って見えます。

上の左の写真、拡大して撮りましたが、本当はマッチ棒の先くらいの大きさです。

車山乗越からは南の耳・北の耳を目指して進んでいきます。霧で見晴らしはよくありません。

7月に来たときに見つけた面白い形の木。今回それと同じ木を見つけたかと思って写真を撮ったのですが、果たして同じなのか、それとも似ているだけなのか・・・。いずれにせよ、この枝ぶりから、ここでいかに強い風が吹くかが窺えます。

リンドウだ~

この辺りにはイナゴがいっぱいいました。前から見ると仮面ライダーの顔をしてる。

近くの草むらにピンク色が見えたので屈んでみると、ちっちゃーいお花でした。

これはイブキジャコウソウ?

南の耳です。背景、真っ白。

南の耳を過ぎてちょっと下ってちょっと上り返すと北の耳。やはり背景は真っ白です。

だんだん霧が濃くなってきました。霧のなかから、私のコンパクトデジカメでは認識できないくらいの景色が、微かに、静かに浮かび上がるときが好きです。

なんとイブキジャコウソウ(右)が残っていました! 指先でちょっとお花に触ると、やっぱりすごくいい香りがしました。

ゼブラ山から木々の間を下っていくと、突然開けたところへ飛び出します。スズ(コオロギの仲間)がジーーと鳴いていました。

ここを通り過ぎるとトイレのある広場に出ます。そのまま進んで 奥霧小屋(休業中)のかわいい建物の横を通り過ぎ、鹿よけのゲートを越えて八島湿原へ。

奥霧小屋を通り過ぎてすぐ、すぐそばから雌のキジが飛び立ちました。すぐ目の前を通り過ぎたので、その姿もはっきり見えました。キジはかなり高く舞い上がり、木の梢を越えて100メートルくらい飛んでから草むらに着地しました。キジってあんなに高く飛ぶものなんですね。

これから冬を迎える湿原。夏の間、きれいな花を咲かせてたくさんの虫たちを集めただろう花々も、今ではすっかり立ち枯れて、辺りはひっそりと静まり返っていました。

抗うことなく静かにそこで立ち枯れている花々を、初めて美しいと思いました。そのうち、この草花も雪に埋まってしまうんですね。

これまでは、私は秋を寂しいものだと思っていました。でも今回感じたのは、寂しさではなく静けさでした。晩秋の霧ヶ峰、今回訪れてみて良かったなあと思います。

初秋の霧ヶ峰の様子はこちら→2018年9月9八島湿原~初めて見たアケボノソウ

こちらもご覧ください→ 2019年7月1日 霧ヶ峰(車山~ゼブラ山~八島湿原)伸びやかな稜線歩きと湿原散策

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