アメリカで歯科矯正 #1 矯正の準備~虫歯治療・抜歯

アメリカ暮らし

ヒマだ。矯正だ!

渡米して数か月、生活を立ち上げて一段落すると、私は急にヒマになってしまいました。サンフランシスコ時代、私はいわゆる「奥さんビザ」しか持っていなかったので、働くことは法的に許されていませんでしたし、それ以前に当時の私の英語はまったく使い物にならなかったので働くどころではありませんでした。

そこでふと思いついたのが、歯科矯正。実は私、前歯が大きめで少し斜めに出っ張っていたので、鏡に映った自分の姿を見るたびに「ちょっとネズミっぽいわねぇ」と思っていたんです。そうは思いつつも、日本では忙しい毎日の生活にまぎれて歯科矯正なんて考えたことはありませんでした。費用もなかなかですしね。

でもここはアメリカ、歯科矯正は日本に比べるとずっと普及しているはず。それに矯正するならヒマな今しかない! そう思って調べてみると、近くにある大学に歯学部があり、そこの研修医に治療してもらえば費用もかなり抑えられることが分かりました。 そこで早速、通訳として夫に同伴してもらい、その歯学部病院へ出かけました。

英語がちんぷんかんぷん

矯正歯科のことを英語ではorthodonticsといいます。矯正歯科医はorthodontist。そんなことも知らずに、それどころか歯科矯正についての予備知識ゼロの状態で私たちは病院を訪れました。

さすが大学病院。個人のクリニックとは大違いで、広いフロアに何十もの椅子がずらりと並んでいます。歯医者さんにある、例のあの椅子です。椅子と椅子の間に仕切りがあるでもなく、通路からは治療中の患者さんの口の中まで見えてしまうほど。まあ良く言えばとても伸びやかな空間でした。

そこで歯科矯正に関してカウンセリングを受けたわけですが、説明を始めた若い研修医さんの言うことが私たちにはよく理解できませんでした。というのも、私たちには矯正の予備知識がゼロで何を説明されるのかまったく予期できなかったし、聞きなれない専門用語もちらほら登場したからです。

研修医さんは会話がスムーズに運ばないのに困り果て、指導教官である教授も途中から加わりました。この「教授先生」はさすがに慣れたもので、私たちの片言の英語に動じることもなく、私たちにも非常に分かりやすい言葉で矯正の流れを説明してくれました。

こうして、この若い研修医さんと落ち着いた「教授先生」のおかげで、私は無事矯正を始めることができたのでした。

虫歯の治療

矯正を始まる前に、虫歯があるかどうかチェックしてもらうことにしました。アメリカでは歯のクリーニングや虫歯の治療などは、一般歯科医(general dentist)のところに行きます。私は、自宅の近くの、中国人夫婦で開業している歯医者さんのところへ行きました。

虫歯なんてないだろうと高を括っていたのですが、なんと7本も虫歯がありました。3~4回ほど治療に通いました。

嬉しかったのは詰め物(filling)が、特に何の指定をしなくても白かったことです。日本では詰め物を白くしてもらうよう希望を出さない限り、詰め物は銀色じゃありませんでしたっけ。おかげで、7本も治療したのにあまり目立たずにすみました。

ディープクリーニング

虫歯の治療が終わったとき、歯医者さんに「ディープクリーニング」というのを勧められました。私は日本でも時々歯のクリーニングはしていたし、歯磨きもきちんとしていたつもりだったのですが、どうやら私の歯はとても汚かったようです。実際、この歯医者さんに”Your teeth are VERY DIRTY.”と言われ、ちょっとショックを受けました。もう少し別の言葉を選んでくれてもよかったのに・・。

ディープクリーニングとは、通常のクリーニングでは綺麗にしきれない歯と歯茎の間などを掃除するために、麻酔をしてクリーニングするというものです。そこで私は後日予約をとって、このディープクリーニングをしました。別に何がどうってことはありません。少し深いところまでクリーニングするため、口をすすぐときに赤い水が流れてぎょっとはしましたが、それもその時だけで、その後は出血も何もありませんでした。ついでに言うと、外からは見えない部分をクリーニングするので、ぱっと見も変わりませんでした。でも、麻酔をしてまでクリーニングをするというアメリカらしい経験をしたのと、口の中がピカピカになったという満足感はありました。

ちなみに、ディープクリーニングの費用はたしか84ドルでした。。まあ良心的な価格設定だったのではないかと思います。(この費用は保険でカバーされたので、自費負担はありませんでした。)

抜歯

一気に8本も?!

さて、私は矯正をするにあたって、親知らず4本を含め8本もの歯を抜かなければなりませんでした。尤も、親知らずはもともと斜めに生えていて時々炎症を起こしていましたし、本来あるべき場所から大きく外れて生えていた歯などもありましたから、まあ仕方ないなとあっさり観念しましたが。

驚いたのはこの8本を一気に抜くと言われたときです。でも、痛い思いをするのが一度で済むので、それはそれでいいのかなとも思いました。

アメリカでは歯を抜くときは口腔外科医(oral surgeon)にお世話になります。最初に訪ねた歯医者さんの対応や説明に少々不安を感じたので、インターネットで調べなおして別の歯医者さんを訪れ、そこで納得してお願いすることにしました。

全身麻酔 vs 部分麻酔

8本もの歯を抜くので、しっかりした麻酔が必要になります。抜歯前のカウンセリングで、全身麻酔と部分麻酔両方の説明を受け、私は全身麻酔で手術を受けることにしました。

実は、歯を抜くことが決まった時にある日本人の歯医者さんに麻酔について相談したことがあります。彼は、全身麻酔だと手術の途中に万が一何か異常を感じたときにそれに気づかないし、伝える術もないから、部分麻酔のほうがいいという意見でした。それも一理あると思います。それぞれメリット、デメリットがありますから、よくよく説明を聞いて決めるたほうがいいと思います。

手術当日

手術当日は、一人で帰宅することができないため、必ず大人に付き添ってもらうように言われました。私は夫についてきてもらいました。

まず注射をしました。特に何の変化も感じず。それから口にマスクを当てられ、同時に夫が別室に移動していきました。夫が横を通るのを横目で眺めたところで意識が途切れました。

目を覚ますとベッドに横になっていました。看護師さんに口を開けるように言われてはじめて、大量のガーゼを自分の歯でがっちりと噛んでいることに気づきました。それから帰宅しましたが、麻酔のせいで意識が朦朧としており、術後から翌日朝にかけてのことはほとんど何も覚えていません。

夫によると、帰宅してからも私がぐっすり眠っているので、痛み止めを飲むべき時間に私を起こさなかったのだそうです。そうすると、突然私がむくりと起き上がって「痛いー!」と叫んだのだとか。薬を飲ませると、またバタンと眠ってしまったのだそうです。

術後

病院からは抗生物質と痛み止めを処方されました。この痛み止めがよく効いて、私は術後ほとんど痛みを感じたことがありません。一度だけ、処方された1週間分の痛み止めが切れたときに、顎がみしみし鳴るような痛みを感じたことがあります。慌てて1週間分の痛み止めを追加処方してもらいました。この痛み止めが切れるころ、つまり術後2週間した頃には、もうまったく痛みは感じなくなっていました。

術後は、幸い出血も腫れもなく、痛み止めのおかげで(一度だけ痛みを感じたことを除くと)まるで何事もなかったかのように過ごすことができました。

奥歯を抜いた場所は凹んだような穴があいていました。この凹みが完全になくなるのにはしばらく時間を要しました。病院から奥歯のほうまで綺麗に洗えるように、注射器のようなものを渡されていましたので、凹みがなくなるまでは、毎食後この器具を使って常に清潔を保つように心がけました。

良い治療をしてもらったなと思います。

私の歯の矯正をしてくださった先生は、現在San Joseでクリニックを開いていらっしゃいます。

Orthodontist San Jose CA | Phelps & Cohen Orthodontics
Phelps & Cohen Orthodontics provides quality orthodontic care and Invisalign® to patients in San Jose, Santa Clara, and Los Gatos, CA. Call today to schedule yo...

また、抜歯でお世話になった先生の映像を見つけました。矯正とは関係ない内容ですが、入れ歯(denture)の代替としてのインプラントについての話です。これまで入れ歯やインプラントについて考えたことなどなかったので「へぇ、インプラントってこんななんだ~」と勉強になりました😊

What you need to know about Dental Implants, San Francisco Dentist Dean Duncan, DDS

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