ナンキンムシ恐るべし

ニューヨークへ用事があって出かけたときのこと。私は当時巷を騒がせていたベッドバグ(bed bug)つまりナンキンムシに噛まれて大変な目に遭ったことがあります。

ナンキンムシをご存知ですか? トコジラミともいいます。これに噛まれると激しい痒みを感じます。ナンキンムシは吸血するときに唾液をヒトの体内に注入するのですが、人によってはそれに強いアレルギー反応を示します。

私は強く反応してしまった一人でした。

泊まったのは、ごく普通のホテルでした。当時はあちこちでナンキンムシが問題になっていたので、このホテルだけが特に不潔だったわけではないと思います。

ナンキンムシを駆除するにはビル全体を消毒しなければならないとかで、そうすると営業も一時期停止することになりますから、ナンキンムシが出たからといって必ずしもホテルがそれに対処していたわけではなかったんでしょうね。その結果、この寄生虫がまん延することになってしまったのだと思います。

私はこの時既にナンキンムシの噂は聞いていましたから、朝起きて「痒いな~」と体を起こしたとき、5ミリくらいの茶色っぽい虫がひょろひょろと歩いてベッドの下に逃げ込むのを見た瞬間「あ、やられた!」と思いました。

アレルギー体質の私は、案の定アレルギー反応を起こして、噛まれた足と手が真っ赤に腫れあがってしまいました。ホテルに事情を話すとすぐに近くのクリニックで診察を受けられるよう手配してくれ、ホテルの部屋も変更してくれました。

クリニックで処方された薬を飲み、塗り薬もつけて、とりあえず数日で赤みはおさまってきたのですが・・・

運の悪いことにその2週間後に私はニューヨークに用事があり、その時にも別のホテルでまたしてもやられてしまったのでした。

この時の反応は、本当にひどいものでした。噛まれた箇所だけでなく、顔まで赤く腫れあがりました。あれは正直怖かったです。

この時もすぐにクリニックに駆け込んで薬を処方されましたが、何せ反応が強かったもので、痒みはある程度おさまっても赤みがひくのには少々時間を要しました。噛まれた跡は数週間残りました。

本当にあれには参りました。もうあんな目に遭うのはごめんです。

とはいうものの、ナンキンムシに噛まれないようにする方法なんてあるんでしょうか。最近ではナンキンムシの被害についてはそれほど耳にしませんが、今後のためにも予防法があれば知りたいところです。

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