chew the fat 「おしゃべりをする」

映画/ドラマのひとこと

chew the fat というイディオムがあります。これは「お喋りをする」という意味。ただ時間をつぶすためだけに、他愛のないことについて話すことです。

直訳すると脂肪(fat)を噛む(chew)という意味ですが、なぜそれが「お喋りをする」という意味になったのでしょう。

どうやらこれは、ステーキの脂肪の部分をクチャクチャ噛むことからきているようです。なかなか噛み切れないあの脂肪の部分を噛むのはなかなか楽しいもの。そして多少時間がかかるものです。楽しくて少々時間を食うもの、そこから「お喋りをする」という意味でつかわれるようになったんですね。

以下、デスパレートな妻たち(Desperate Housewives)シーズン3エピソード22から。

両親がほとんど会話をしていないのに気づいた息子のパーカーが「全然話をしてないけど喧嘩でもしたの?」と尋ねます。母親のリネットが、よく知っている者同士はそんなにたくさん話す必要はない、と答えますが、そこに父親のトムが「そうだね。でも昨日ママが仕事中に無視したときは気分が悪かったけどね。」と口をはさみます。そこへリネットが次のように続けます。

Well, Daddy probably didn’t notice that I was unloading 20-pound bags of flours because he still can’t lift them. So, Mommy didn’t have time to sit around and chew the fat.

ピッツェリアのオーナーであるトム、この時は腰を痛めていて重い荷物が持てない状態でした。リネットがトムと話をしない理由は、本当は他にあったのですが、子供たちには「パパは多分、まだ重い荷物を運べないパパの代わりに私が20ポンドの小麦粉の袋を運んでいたに気づかなかったのよ。だから座ってお喋りする時間がなかったの」と返しています。

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