スズラン群生地(山梨県芦川町)から釈迦ヶ岳・黒岳 2019年6月1日

山へ行こう

2019年6月1日(土)

スズラン群生地駐車場~釈迦ヶ岳~黒岳~スズラン群生地駐車場 (コースタイム4時間45分)

一度行ってみたかった山梨県芦川町のスズラン群生地。スズランの開花情報を見て「いまだ!」と思って行ってきました。

芦川町のスズラン群生地には「二ホンスズラン」が自生しています。葉の下に奥ゆかしく咲く二ホンスズラン、こんなに群生しているのは全国的にも珍しいのだそうです。

スズラン群生地付近には駐車場が3つありますが、これが一番奥の群生地に最も近い駐車場。ひろーいです。

車を降りると、エゾハルゼミの大合唱。エゾハルゼミを聞くのは今年になってこれが初めてです。

「スズラン群生地」と書かれた看板があるところから、下りていきます。

木の階段を下ると売店があります。トイレは売店とは反対側へ100メートルほど行ったところにあります。売店の横を通って奥へ進むとそこが群生地。白樺の美しい森が広がっています。

白樺の木を残して他の木を伐採していくうちに、こんな景観の森になったのだそうです。売店の方がそう話してくださいました。

スズランの他にもいろんなお花が咲いていました。

ギンラン(ササバギンラン?)はもう少しで花を開きそう。

ざっと見て歩いてから、釈迦ヶ岳・黒岳へ。

一旦駐車場へ戻り、駐車場の一番奥にある「ハイキングマップ」の大きな案内板の横の車道を進むと、ほどなくして釈迦ヶ岳への登山口があります。(10:28)

エゾハルゼミの声を聞きながら、気持ちのいい森のなかを緩やかに登って行きます。ヤマツツジが美しい。

しばらく登って行くと稜線へ出ます。ここが釈迦ヶ岳と黒岳の分岐点です。まずは釈迦ヶ岳へ。

エゾハルゼミの抜け殻が、あちこちにいっぱい。度々立ち止まっては見上げて姿を探すも、結局一匹も見つからず。 こんなに鳴いているのに・・。

しばらく行くと府駒山へ到着。三等三角点がありました。見晴らしはありません。なのでそのまま通過。(11:15)

トウゴクミツバツツジの花はほぼ終盤でしたが、なかにはまだ綺麗に咲いているのもありました。

標高をあげるにつれ、エゾハルゼミの声がだんだん遠のいていきます。

マイヅルソウも咲き始めていました。(写真はすべてピンボケ😞)

頂上近くなると、少し岩場が出てきます。岩場をひとつ登りきるたびに、木々の間から見える景色が少しずつ変わっていくようで楽しかったです。

釈迦ヶ岳頂上に到着です。お地蔵さんの周りにはツツジが咲き(花は終わりかけでしたが)賑々しい雰囲気。(11:45)

エゾハルゼミの声が、今は下からヴヮヴヮヴヮと遠く聞こえます。

イワカガミも咲いていたんだそうです。後になって聞きました。見逃しちゃった~残念。

雲が多かったのであまり遠くまでは見渡すことができなかったのですが、それでもここの頂上は開放的で気持ちがいいです。

富士山の頭の部分だけが雲の間からちらっと見えました。

しばらく 休憩してから、来た道を戻ります。登ってきた岩場、慎重にくだります。

標高をさげるにつれ、またエゾハルゼミの声が賑やかになってきました。

今度は日向坂峠(どんべえとうげ)を経由して黒岳へ向かいます。

日向坂峠で車道を渡ります。ここまで車で来れるので、路肩に車をとめてここから登る人も多いようです。この時も路肩に10台ほど車がとまっていました。

しばらくアップダウンを繰り返しながら進んでいきます。

立派なブナの木がありました。

今度は黒岳への登りが始まります。実は私、計画を立てたときにちょっと計算違いをしていたらしく、こんなに登るとは思っていなかったため、途中でちょっと嫌になりました。私の場合、登りが続くときは、そのための気構えと気合が必要なんですよね。やれやれ。

しばらく登って行くと、ネットで囲んである箇所がありました。すれ違ったご夫婦が、「上のネットにカモメランの蕾があるみたいですよ~」と教えてくださいました。それを聞いて俄然やる気がでました。

カモメラン、自分では見つけられずにいたのですが、近くにいた方に「カモメランの蕾があると聞いたのですが・・」と話しかけてみると、「あれじゃないですか?」と見つけてくださいました。

きっとそうです。そうですよね?!この少し紫がかった蕾、そうに違いありません。いつ頃咲くんでしょう。楽しみです。

ネットのある場所から頂上へはすぐでした。

黒岳頂上へ到着。頂上には何もないので、200メートルほど先の展望台へ進みます。 (14:03)

展望台からは河口湖の向こうに堂々たる富士山がのぞめるはずだったのですが、残念、この日は富士山は雲のなかでした。

でも、実はここから富士山が見えなかったのはこれが初めてなので、それはそれで私にとっては新しい経験。この景色を眺めながら持ってきたパンを食べました。雲がだんだんこちらへ近づいてくるような・・・そろそろ戻ることにしましょう。

来た道をずんずん下ります。帰りは日向坂峠は通らず、その手前の「すずらんの里分岐」から下りました。分岐地点には「上芦川」と案内が出ています。(14:49)

そのうち車道に出ます。出てきたところがここ。特に何の目印もないので(登山道の両側の木に黄色いテープは巻いてありますが)逆方向だとちょっと不安かも。

途中、新道峠へ下る道と分かれますが、私はすずらん群生地の駐車場へ戻りたかったので、右側の道へ進みます。

駐車場に戻ってきました(15:13)。午前中、駐車場に着いたときにエゾハルゼミの大合唱が聞こえたので、戻ってからゆっくりセミを探そうと思っていました。ところが、このときにはセミの声はすっかり止んでいました。

鳥がすーっと飛んで行ったのですが、下から見上げたシルエットが鳶とは違ってたみたい。なんていう鳥だったんでしょう。気になります。

せっかくなので、売店の方へのご挨拶がてら、もう一度すずらんを見にいくことにしました。

売店の方、私の姿をみると「ご無事でよかったです」と声をかけてくださいました。

遊歩道を写真を撮りながらゆっくり歩いていると、近くにいた女性が其処此処に咲いている花や、まだ花をつけていない植物について、いろいろ教えてくださいました。杖をついて歩いてらっしゃるその女性の傍らには、足もとの悪い時にさっと手を差し伸べる旦那さま。素敵なご夫婦との素敵なひと時でした。

帰りに売店の前をもう一度通りかかると、なんとお茶を出してくださいました。なんて温かいお気遣い。この近辺に咲くお花の写真を見せていただいたりしながら、楽しくお話ししました。

この売店にいらっしゃるのは、すずらんの咲く時期だけなのだそうです。

売店の方がトイレの少し先に咲いていると教えてくださったサカネラン。遠目だと花なのかキノコなのかよく分からないような外見でしたが、よく見ると一つ一つの花がとてもきれいな形をしていました。

帰りは、ヘルシーパーク裾野に立ち寄ってさっぱりしました。この頃には富士山の周りの雲がはれ、暮れゆく富士山が真正面に見えました。

うっすらとオレンジ色の雲がかかっていたのがそのうち色を失い、ホトトギスの声が聞こえ、それがいつの間にか虫の音に。温泉につかりながら、色や光や音の移ろいを感じる幸せ。その瞬間をそこに居合わせた人と共有する幸せ。

良い一日でした。

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